雨の日の売上を落とさない飲食店の天候リスク対策5つ
雨予報が出ただけで予約が止まる、仕込んだ分が丸ごと余る。飲食店をやっていると、天気に振り回される日が必ず来ますよね。天気そのものは変えられませんが、天気にどう備えるかは完全に自分たちの裁量です。DRIPLOG EP17では、雨の日を「諦める日」から「準備してある日」に変えるための考え方を話しました。
🎧 この記事は DRIPLOG Podcast EP17 の音声コンテンツと連動しています。Podcastで聴くとよりリアルな現場感が伝わります。
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なぜ飲食店は天気にこれほど影響されるのか

飲食店、特に実店舗での営業は、構造的に天気の影響を受けます。
お客さんは家を出て、移動して、お店まで来て、食事をして、また外に出て帰る。
この一連の手順を全部踏んでもらって、はじめて1人分の売上が立つわけです。
晴れや曇りならこの手順はほとんど意識されません。
でも土砂降りや大雨になると、外に出る人そのものが著しく減ります。
しかも厄介なのは、実際に降る前の「雨予報」の段階で、その日は出かけないと決めてしまう人がいるということなんですよね。
つまり天候リスクは、降水量だけでなく「予報」というかたちで前倒しでやってきます。
だからこそ、当日になってから慌てるのではなく、予報を見た時点で動けるかどうかが分かれ目になります。
🎧 Podcast 00:20 〜
天気は変えられない。でも「自分たちの動き」は変えられる

前提として、天気自体はどうしようもない部分です。
雨乞いをしたから雨が降るわけでも、てるてる坊主を吊るしたから晴れるわけでもきっとない。
天気をどうこうしようという話は、まず無理なんです。
ただ、影響は確実に受けてしまう。
だったら考えるべきなのは「天気をどうするか」ではなく「その天気になったときに自分たちがどう動くか」です。
ここは完全に自分たちで最適化できる領域なんですよね。
この発想の切り替えができると、雨の日は「運が悪い日」ではなく「あらかじめ想定してある日」になります。
同じ土砂降りでも、備えがある店とない店では、その日の終わり方がまったく違ってきます。
この話と地続きの論点として、飲食店の原価率は30%と35%どっちが適正でも同じテーマを扱っています。
🎧 Podcast 01:30 〜
対策1:天気予報から逆算して仕込み量を減らす

いちばん取り組みやすいのが、仕込み量のコントロールです。
天気予報は数日前から出ていますから、売上が落ちるであろう日はほぼ事前に分かります。
あとは「どのくらい落ちるか」を知っていればいい。
ここは最初、経験とデータを取るところからのスタートになります。
雨の日の客数・売上を記録していけば、「大雨の平日はだいたい通常の7割」といった自店の係数が見えてきます。
その数字が出れば、仕込みを機械的に落とせるようになります。
飲食は食品を扱う以上、消費期限を過ぎたものをそのまま販売するわけにはいきません。
売上の落ち込みを見越して仕込みを減らすことは、そのまま利益率を守る行為です。
売れない日に売上を追うより先に、失う分を減らすほうが確実なんですよね。
🎧 Podcast 02:30 〜
対策2:雨の日を「来店する理由」に変えるリフレーミング

仕込みを減らすのは守りの手です。
もう一方で、攻めの手も用意しておきたい。
雨の日はそもそも客数が落ち込むので、通常のままの営業をしていても仕方がないわけです。
やり方はいくつかあります。
雨の日限定のフードを出す、雨の日セットを組む、シンプルに価格を下げる。
「雨だから来ない」を「雨の日はボーナスデー」に読み替えて、外出の動機そのものを作ってあげるという発想です。
もちろん割引は利益を削るので、やるなら粗利の構造を見たうえで設計します。
限定メニューのように単価を落とさずに来店動機を作れる手のほうが、長い目で見れば健全だと思います。
どちらを選ぶにせよ、当日思いついてできることではありません。
判断の前提になる部分は、飲食店こそデータを集めるべき理由で整理しています。
🎧 Podcast 03:20 〜
対策3〜5:デリバリー・オンライン・店内作業への振り替え

来店に頼らないルートも用意しておくと、雨の日の選択肢が増えます。
たとえば雨の日だけ車でデリバリーに回る。
オンラインショップがあるなら、その日はそちらに注力して広告や告知を出す。
来てもらえないなら、こちらから届けるか、オンラインに需要を逃がすという考え方です。
それも難しいなら、時間の使い道を変えます。
店頭に立っている以上、新作の開発、備品の仕込みや準備、発注まわりなど、できることはたくさんあります。
客数が読めない日は、売上を取りにいく日ではなく、普段できない仕込みを進める日として最初から予定に組み込んでおくと、無駄な時間になりません。
マルシェやイベント出店をしている方なら、雨天中止の経験があるはずです。
備えのある人は「雨の日はここで売る」という代替の売り場をあらかじめ決めていて、Instagramなどで告知して売り切ります。
日持ちする商品を持っていれば、その日に売り切る必要がないというリスクヘッジも効きます。
準備がない人は、持ち帰って処分するしかなくなるんですよね。
あわせて読むと輪郭がはっきりするのが、飲食店の売上を伸ばす鍵はリピート率です。
🎧 Podcast 04:30 〜
事前準備は「予報を見る」と「決めておく」の2つだけ

ここまでの話をまとめると、やることは2つに集約されます。
1つは天気予報を確認すること。
もう1つは、その天気になったときに具体的にどうするかを決めて、軽く準備しておくことです。
ポイントは、天候対策は唐突に天気が悪くなってから始められるものではないということ。
雨の日メニューも、デリバリーの導線も、代替の売り場も、事前に決まっているから当日に動けます。
天気が崩れてから考え始めた時点で、その日はもう手遅れなんですよね。
天候リスクへの対応策は、調べれば事例がたくさん出てきます。
自店に合うものを2〜3個選んで、条件(雨予報が出たら/降水確率◯%を超えたら)とセットで決めておく。
それだけで、雨の日の意思決定はほぼ自動化できます。
🎧 Podcast 05:40 〜
まとめ
- 飲食店は「予報が出た時点」から客足が落ちるため、当日対応では間に合いません。天気予報から逆算して動くことが前提になります。
- 天気そのものは変えられませんが、仕込み量・メニュー・販売チャネル・時間の使い方は自分たちで最適化できます。
- 必要な準備は「天気予報を確認する」と「その天気になったときの動きを決めておく」の2つだけです。事前に決めてあるかどうかが、雨の日の結果を分けます。
よくある質問
Q. 飲食店で雨の日は売上がどれくらい落ちますか?
A. 業態・立地・降り方によって差が大きいため、一般的な数字より自店の実測値が重要です。雨の日の客数と売上を数か月記録すると「大雨の平日は通常比◯割」といった自店の係数が見えてきます。その係数が出れば、仕込み量の調整を感覚ではなく計算でできるようになります。
Q. 雨の日の飲食店の集客アイデアにはどんなものがありますか?
A. 雨の日限定メニュー、雨の日セット、雨の日割引といった来店動機づくりが基本です。加えて、デリバリーへの振り替えやオンラインショップへの集客も有効な選択肢になります。割引は利益を削るため、単価を落とさずに動機を作れる限定メニュー型のほうが継続しやすいです。
Q. 雨の日は仕込みをどれくらい減らせばいいですか?
A. 最初は過去の雨天日の売上データを基準に、控えめに減らしてみるところから始めてください。減らしすぎて売り切れた日、余らせた日の両方を記録すると、適正ラインが数か月で見えてきます。消費期限のある食材から優先して減らすと、ロスの削減効果が大きくなります。
Q. 雨で暇な日、スタッフには何をしてもらうべきですか?
A. 新メニューの試作、備品の仕込みや準備、発注や棚卸し、清掃など、普段まとまった時間が取れない作業を割り当てるのがおすすめです。事前に「客数が少ない日にやること」のリストを作っておくと、当日迷わずに済みます。手が空いた時間を使い切れるかどうかで、雨の日の価値は変わります。
Q. マルシェやイベント出店が雨で中止になったときはどうすればいいですか?
A. 中止の場合に売る代替の場所をあらかじめ決めておき、SNSで告知して販売する方法が現実的です。自店の店頭やオンラインショップを受け皿にしておくと、在庫を抱えずに済みます。日持ちする商品を商品構成に入れておくことも、有効なリスクヘッジになります。