飲食店の売上を伸ばす鍵はリピート率|新規獲得より効く理由

「毎月新規のお客さんを集めるのに疲れてきた」「売上が横ばいで伸び悩んでいる」そんな悩みを抱えていませんか?実は売上を安定的に伸ばす鍵は、新規獲得よりもリピート率にあります。DRIPLOG EP8では、リピーターを作るための「体験」と「仕組み」の2つのアプローチについて、実際の数字も交えながらお話ししました。

Share
飲食店の売上を伸ばす鍵はリピート率|新規獲得より効く理由

この記事の結論

飲食店のリピート率が0%なら、新規を毎月同じだけ集めても売上は横ばいのまま。リピート率が10%あれば、新規客数が変わらなくても売上は毎月積み上がっていきます。

上げ方は「体験」と「仕組み」の2つ。先に手をつけるべきなのは、挨拶・内装・接客といった体験のほうです。スタンプカードなどの仕組みは、体験を補強するものと考えるとちょうどいい距離感になります。

🎧 この記事は DRIPLOG Podcast EP8 の音声コンテンツと連動しています。Podcastで聴くとよりリアルな現場感が伝わります。

🎧 現場の話は DRIPLOG Podcast でも配信しています。

🎧 Spotify · 🍎 Apple Podcast · 🎵 Amazon Music

目次

  1. 飲食店の売上が伸び悩む理由|新規顧客だけを追う限界
  2. リピート率が10%あると売上はどう変わるか|50人 × 1,000円で試算
  3. 飲食店のリピート率を上げる2つの方法|「体験」と「仕組み」
  4. どちらを先にやるか|個人的に感じる「体験 > 仕組み」の理由
  5. 今日からできる第一歩|自分のお店の「体験」を棚卸しする
  6. よくある質問(平均・計測方法・予算配分)

飲食店の売上が伸び悩む理由|新規顧客だけを追う限界

飲食店の店先で悩むオーナーの写真、またはチラシを配る様子

飲食店を経営していく上で、売上は一番大事な数字ですよね。

毎月コンスタントに売上を出すことも大切ですが、お店を大きくしたり新しい投資をするためには、売上を伸ばし続けることが必要になってきます。

ただ、売上を伸ばすために新規客だけを追いかけるのって、実はかなり大変なんですよね。

お店のことを知らない人にアプローチし続けなければいけないし、初めてのお店に入るのは誰にとってもハードルが高い。

何を売っているのか、美味しいのか、いくらなのか、現金しか使えないのか——わからないことだらけです。

そのハードルを超えて来店してもらうためには、広告費もかかるし、ビラ配りなど体力も使います。

新規顧客だけで売上を伸ばそうとすると、翌月はさらに多くの新規を獲得しなければならず、どこかで必ず限界が来ます。

🎧 Podcast 00:00 〜

リピート率が10%あると売上はどう変わるか|50人 × 1,000円で試算

リピート率0%と10%の売上推移を比較した折れ線グラフ

リピート率がどれだけ売上に効いてくるか、シンプルな数字で考えてみましょう。

例えば、毎月50人の新規客が来てくれて、客単価が1,000円のお店があるとします。

初月の売上は5万円ですね。

ここでリピート率が0%、つまり全員が一回きりのお客さんなら、翌月も翌々月もずっと売上は5万円のままです。

一方、リピート率が10%あるとどうでしょう。

毎月5人がリピーターになってくれる計算ですが、初月5万円、2ヶ月目は5万5,000円、3ヶ月目は6万円と、着実に売上が積み上がっていきます。

月リピート率 0%リピート率 10%
初月50,000円50,000円
2ヶ月目50,000円55,000円
3ヶ月目50,000円60,000円

※ 毎月の新規客50人・客単価1,000円で計算した場合

新規客の数字は変わらなくても、リピーターが加わるだけで売上は右肩上がりに伸びていく——これがリピート率の力です。

しかも、「また来てくれる人がいる」という安心感は、経営者としての精神的な支えにもなるんですよね。

売上が積み上がっても、原価の設計が甘いままだと手元の利益は増えません。業態別の目安と計算方法は飲食店の原価率は30%と35%どちらが適正かで整理しています。

🎧 Podcast 01:30 〜

飲食店のリピート率を上げる2つの方法|「体験」と「仕組み」

スタンプカードや接客中のスタッフの写真

では、どうすればリピーターを作れるのか。

ポイントは「また来たい」と思ってもらえる体験と、そう思わせる仕組みの2つです。

体験の側面で言えば、挨拶・内装・接客といった、お店に来た瞬間から帰るまでの空気感すべてが含まれます。

料理の味はもちろん大事ですが、それ以外の要素が「もう一度来たい」という気持ちを作っていると感じます。

仕組みの側面では、スタンプカード、お店のオリジナルグッズ、次回来店クーポンなど、次回来店のきっかけを意図的に作る施策が該当します。

分かりやすく効果測定もしやすいので、多くの飲食店が取り入れています。

🎧 Podcast 03:00 〜

どちらを先にやるか|個人的に感じる「体験 > 仕組み」の理由

お客さんと会話するオーナー・店主の温かい雰囲気の写真

個人的にたくさんの飲食店に行ってきた実感として、また行きたいと思うお店はどちらかというと体験の方に尽きるかなと思っています。

スタンプカードやクーポンで一度は来店してもらえるかもしれません。

でもそれだけだと、割引がなくなった瞬間に来る理由がなくなってしまうんですよね。

逆に、接客が心地よかった、店主の人柄が良かった、空間が落ち着いた——こういう体験の記憶は、割引がなくても足を運ばせる強い動機になります。

結局のところ、飲食と言っても人と人のやり取りなので、そこを大切にしないと本当のリピーターは生まれないと感じます。

仕組みは体験を補強するもの、というくらいの位置づけがちょうどいいのかもしれません。

この「体験」のなかでも、接客の声に乗る感情はお客さんの印象を大きく左右します。その仕組みと直し方は飲食店の接客で差がつく「声に乗る感情」で扱っています。

🎧 Podcast 04:30 〜

今日からできる第一歩|自分のお店の「体験」を棚卸しする

スタッフミーティングの様子、またはチェックリストの写真

リピート率を上げたいと思ったら、いきなりスタンプカードを導入する前に、自分のお店の体験を棚卸ししてみることをおすすめします。

入店時の挨拶はどうか、席に案内するまでの動線はスムーズか、料理提供のタイミングは適切か、お会計時の一言はあるか——一つ一つの接点を見直すだけで、改善できるポイントは意外とたくさん見つかります。

スタッフと一緒に「自分がお客さんだったらどう感じるか」を話し合う場を作るのも効果的です。

仕組みを追加するのはその後でも遅くありません。

まずは今ある体験の質を高めることから始めてみてください。

棚卸しの精度を上げるには、お客さん自身の言葉を集める仕組みが要ります。その設計は飲食店アンケートが本当に意味を持つ理由にまとめています。

🎧 Podcast 05:30 〜


まとめ

  • 新規顧客だけで売上を伸ばし続けるのは体力的にも経済的にも限界があるため、リピーター獲得が重要です。
  • リピート率10%でも売上は毎月着実に積み上がり、経営の安定と精神的な支えにつながります。
  • リピーター作りには「体験」と「仕組み」の2つのアプローチがあり、より本質的なのは接客や空間などの体験の質です。

よくある質問(平均・計測方法・予算配分)

Q. 飲食店のリピート率の平均はどれくらいですか?

A. 業態によって異なりますが、一般的な飲食店では20〜30%程度と言われています。カフェや居酒屋など日常使いされる業態では高めに、記念日利用が中心のレストランでは低めに出る傾向があります。まずは自店の実数を把握することが第一歩です。

Q. リピート率を上げるために最初にやるべきことは何ですか?

A. スタンプカードなどの仕組みを導入する前に、まずは接客・挨拶・提供スピードといった体験の棚卸しをおすすめします。お客さんが「また来たい」と感じる瞬間は、人と人のやり取りの中に生まれることが多いからです。仕組みはその後の補強と考えるとよいでしょう。

Q. スタンプカードや次回来店クーポンは効果がありますか?

A. 効果はありますが、単体で長期的なリピーターを作るのは難しいと考えています。割引がなくなった瞬間に来店動機を失ってしまうことも多いためです。体験の質が高いお店に仕組みを組み合わせることで、初めて相乗効果が生まれます。

Q. 新規顧客獲得とリピーター獲得、予算配分はどうすべきですか?

A. 開業直後は新規獲得に予算を寄せる必要がありますが、営業が軌道に乗ってきたら徐々にリピーター施策の比率を高めていくのが理想です。新規獲得コストはリピーター維持コストの数倍かかると言われるため、既存客との関係構築に投資する方が長期的には効率的です。

Q. リピート率はどうやって計測すればいいですか?

A. POSレジや予約システムの顧客データを使えば、来店回数ごとの分類が可能です。導入していない場合は、常連客のリストを手書きで管理するだけでも傾向は見えてきます。まずは月ごとに「新規客数」と「リピート客数」を分けて数える習慣から始めてみてください。

このエピソードを聴く

この話と地続きの論点として、飲食店こそデータを集めるべき理由でも同じテーマを扱っています。

判断の前提になる部分は、雨の日の売上を落とさない飲食店の天候リスク対策5つで整理しています。

判断の前提になる部分は、マルシェ・ネット販売で食品を売る前に必要な4つの準備【許可・資格・保険・税金】で整理しています。

Read more

マルシェ出店に必要な許可は?2パターン別完全ガイド

マルシェ出店に必要な許可は?2パターン別完全ガイド

マルシェ出店を考えたときに最初にぶつかるのが「許可ってどうすればいいの?」という壁です。実はマルシェ出店は大きく2つのパターンに分かれていて、どちらを選ぶかで必要な許可も準備する備品もまったく変わります。この記事では、飲食未経験からマルシェ出店を目指す方向けに、パターン別の許可要件と申請までのステップを整理しました。

By driplog
シェアキッチンで食品販売を始める方法|許可・費用・卒業の目安

シェアキッチンで食品販売を始める方法|許可・費用・卒業の目安

手作りの焼き菓子やお惣菜をマルシェで売りたい。そう思って調べ始めると、最初にぶつかるのが「営業許可」と「設備」の壁です。この記事では、数百万円かかる厨房工事をせずに食品販売を始める方法として、シェアキッチンの使い方と探し方、そして自分の厨房へ移るタイミングを現場の経験から整理します。

By driplog
マルシェ・ネット販売で食品を売る前に必要な4つの準備【許可・資格・保険・税金】

マルシェ・ネット販売で食品を売る前に必要な4つの準備【許可・資格・保険・税金】

「まずはマルシェで小さく売ってみたい」と思っても、自宅のキッチンで作ったお菓子や料理をそのまま販売することはできません。食品は人の口に入るものだからこそ、資格・営業許可・保険・税務という4つの準備が必要になります。この記事では、小さく始めたい人が最初に押さえるべき手続きを、順番にわかりやすく整理します。

By driplog
雨の日の売上を落とさない飲食店の天候リスク対策5つ

雨の日の売上を落とさない飲食店の天候リスク対策5つ

雨予報が出ただけで予約が止まる、仕込んだ分が丸ごと余る。飲食店をやっていると、天気に振り回される日が必ず来ますよね。天気そのものは変えられませんが、天気にどう備えるかは完全に自分たちの裁量です。DRIPLOG EP17では、雨の日を「諦める日」から「準備してある日」に変えるための考え方を話しました。

By driplog