カフェ開業、店舗より先に露店出店を選ぶ4つの理由
「いつか自分のお店を持ちたい」。そう思いながら、開業資金が貯まるのを待っている方は多いと思います。でもEP11では、カフェをやりたいと言いながら最初に建てたのがテントだった、という話をしています。遠回りに見える露店スタートが、実は一番分のいい勝負の作り方なんですよね。
🎧 この記事は DRIPLOG Podcast EP11 の音声コンテンツと連動しています。Podcastで聴くとよりリアルな現場感が伝わります。
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そもそもなぜカフェなのか|外食と内食の「中間」というポジション

自分がやりたいのは、コンセプトや世界観があって、穏やかな心休めができる体験を提供できるカフェです。
ただ、なぜ数ある業態の中でカフェなのかというと、ポジションの話が大きいんですよね。
食事を「外食」と「内食」に分けたとき、カフェはレストランと自宅ご飯のちょうど中間に位置する絶妙な業態だと思っています。
だからこそ一人ひとりの生活により身近に寄り添えるし、そんな場所で少し心穏やかになれる体験を提供できたら、日々の素敵な支えになるんじゃないかと考えています。
単純に、自分自身がそういう場所があったらいいなと思っている、というのも根っこにあります。
やりたい業態の理由がここまで言語化できていると、後の判断がぶれにくくなります。
🎧 Podcast 00:35 〜
カフェをやりたいのに、店舗ではなくテントを建てている話

活動を始めてまだ1年も経っていませんが、今やっているのはタープテントを立てて机を並べ、マルシェに出店してコーヒーを淹れたり焼き菓子を売ったりすることです。
「店舗を持ちたい」と言いながら、作っているのは店舗ではなくテントなんですよね。
一見すると完全に遠回りに見えると思います。
「お金を貯めて店舗を作ればいいじゃん」という意見も一理あります。
でも開業資金が貯まるのを待つ選択は、その分だけスタートが丸ごと後ろにずれるということでもあります。
資金を借りるにしても、元手はいります。
その元手が貯まるまでの期間、何もしないのか、テントで売りながら市場を確かめるのか。
ここが露店スタートを選んでいる出発点です。
この話と地続きの論点として、飲食店の原価率は30%と35%どっちが適正でも同じテーマを扱っています。
🎧 Podcast 02:05 〜
理由1|初期投資10万円台。失敗しても損失がその金額で済む

露店形態での出店なら、初期投資はだいたい10万円程度。
設備を足しても20万、30万といったレンジに収まります。
店舗開業と比べると桁が2つ違う世界です。
この低予算であることのメリットは2つあります。
ひとつは、単純にすぐ始められること。
もうひとつが重要で、やめる・失敗すると判断したときの損失もその金額で済むということなんです。
数百万〜1000万円を投じた店舗だと、うまくいかないと気づいても簡単には引き返せません。
10万円なら、試して違ったら方向転換できる。
この「引き返せる状態で試す」という設計が、スモールスタートの本質だと思っています。
🎧 Podcast 03:10 〜
理由2|価値提供のチューニングは、本を読んでも分からない

飲食店を始めようとなったとき、どんな商品が受け入れられるのか、内装はどうするのか、価格設定はいくらが妥当なのか。
正直、最初は全く知見がないわけです。
これを本や情報収集だけで詰めるのは無理があります。
商品によっても、場所によっても、売る相手によっても、適正な金額もデザインも変わってくるからです。
一番信頼できるのは、実際にその場所で買ってくれた人のリアクションとデータなんですよね。
マルシェはハードルがとても低く出店できます。
「こういう価値提供をしたい」「こういうお店を作りたい」という世界観を簡易テントの移動式店舗として形にして、その反応を見る。
接客の会話の中で「これってどう思いますか」と直接聞いてしまうこともできます。
仮説の確認とブラッシュアップを、低リスクで何周も回せます。
判断の前提になる部分は、飲食店アンケートが本当に意味を持つ理由で整理しています。
🎧 Podcast 04:15 〜
理由3|リピーターの基盤を作ってから固定費を背負う

店舗を持つときに一番怖いのが固定費です。
家賃も光熱費も人件費も、お客さんが来ても来なくても毎月必ず出ていきます。
いきなり店舗を始めると、そもそもお客さんが来るかどうかも分からない状態で固定費のスタートを切ることになります。
でも、テントの段階でリピートしてくださる方がいる状態を作れていれば話が変わります。
その方たちがアクセスできる場所に店を構えれば、少なくとも「来てくれる人がいる」状態から始められるわけです。
何もない状態で店舗を始めるより、だいぶ分のいい勝負になりますし、精神的な安心感も全然違います。
露店期間は、売上を作る期間であると同時に、顧客基盤を先に積み上げる期間なんですよね。
🎧 Podcast 05:40 〜
理由4|出店者ネットワークという、店舗では手に入らない資産

見落とされがちですが、これが個人的にはかなり大きいメリットです。
マルシェには同業者がたくさん出店していて、その人たちも自分と同じように試行錯誤し、店舗を持ちたいと考え、出店場所を探し、リサーチを重ねています。
同じことを考えて調べている人たちなので、感性も似通ってきます。
「こういうことに関心があって、こうやろうとしている」と話すと、「じゃあこういうやり方もできるよ」「あの場所良かったよ」「キッチンカーはここで作るといいよ」「ここで仕入れると安いよ」といった情報が返ってきます。
現場の一次情報が、検索では届かない速度で入ってくるんです。
続けていると、イベントの出店を紹介してもらえることも出てきます。
「こういうイベント出してみませんか」という声がかかる。
いきなり店舗を持つと、ここが完全に孤立した状態になります。
将来お店をオープンするときも、その仲間は立ち寄ってくれますし、それぞれのSNSで発信してもらえたら大きな広告宣伝にもなります。
あわせて読むと輪郭がはっきりするのが、飲食店開業の初手で失敗しないです。
🎧 Podcast 06:45 〜
デメリットは1つだけ。それでも露店から始める判断

正直に言うと、デメリットもあります。
いきなり店舗を持つ場合と比べて、店舗を持つまでのタイミングは遅くなるということです。
ここは事実として受け止めるべき部分です。
それでも、初期投資を抑えてすぐ始められること、失敗時の損失を低く抑えられること、実際のお客さんの声で価値提供をチューニングできること、リピーターの基盤を作った上で店舗を持てること、出店者ネットワークに繋がれること。
天秤にかけると、圧倒的にメリットが上回ると判断しています。
お店を持ちたいと思っている方がいらっしゃったら、資金が貯まるのを待つ前に、露店出店から検討してみてもいいのかもしれません。
テント1つあれば、来週末から市場と会話できます。
🎧 Podcast 08:10 〜
まとめ
- 露店・マルシェ出店なら初期投資は10万円台から始められ、うまくいかなかったときの損失もその範囲に収まります。
- 商品・価格・世界観が受け入れられるかは本では分かりません。実際に買ってくれた人のリアクションが最も信頼できるデータになります。
- テントの段階でリピーターと出店者ネットワークを作っておくと、固定費が発生する店舗開業をかなり分のいい勝負に変えられます。
よくある質問
Q. マルシェ出店の初期費用はいくらかかりますか?
A. タープテント・机・コーヒー器具といった最低限の構成なら10万円程度から始められます。什器や設備にこだわると20〜30万円になる場合もあります。加えて出店料が1日数千円〜1万円程度かかるイベントが多いです。
Q. カフェを開業する前にマルシェ出店をするメリットは何ですか?
A. 低予算・低リスクで実際の市場反応を確かめられることが最大のメリットです。商品や価格設定へのお客さんの反応を直接聞けるほか、リピーターの基盤と出店者同士のネットワークを店舗オープン前に作っておけます。
Q. 露店から始めると店舗開業が遅くなりませんか?
A. いきなり店舗を作る場合と比べれば、確かに店舗を持つタイミングは遅くなります。ただし資金が貯まるのを何もせず待つ期間と比べれば、売上・顧客・検証データを積み上げながら進める分だけ早く、成功確率も上がります。
Q. マルシェの出店情報はどこで探せばいいですか?
A. 最初は各自治体や商業施設のイベント告知、マルシェ主催者のSNSやWebサイトから探すのが基本です。数回出店すると出店者同士の繋がりができ、主催者や仲間から直接出店の声がかかるようになります。
Q. テント出店でもリピーターはつきますか?
A. つきます。同じイベントや近いエリアに継続して出店し、接客の中で会話を重ねることで顔を覚えてもらえます。SNSで次回の出店情報を発信しておくと、会いに来てくださる方が生まれます。
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