飲食店の立地調査は自分の足で。現場を見る3つの理由
「この場所、売れるかな」——出店やイベント出店を決めるとき、ネットの情報だけで判断していませんか。インスタのタグを辿れば雰囲気はわかりますが、実際に何時にどんな人が来て、何を買っているかまでは見えないんですよね。DRIPLOG EP13では、街を歩きながら「一次情報を自分の目で取りに行く」ことの価値についてお話ししました。
🎧 この記事は DRIPLOG Podcast EP13 の音声コンテンツと連動しています。Podcastで聴くとよりリアルな現場感が伝わります。
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なぜ飲食店は「場所」に縛られるのか

飲食店を始めるとき、いきなり店舗を持つのはやっぱりハードルが高い。
だから移動販売やキッチンカーから入る方もいれば、レンタルスペースで活動を続ける方もいます。
形態はいろいろありますが、全てに共通しているのは「場所に縛られる」ということなんですよね。
都内の駅前にあるお店と、田舎のロードサイドのお店。
どちらが売上が立つか、どちらの客層が若いか。
これは想像に難くないと思います。
地理的な要因は、売上にも戦略にも直結する非常に重要な要素です。
若い人ばかりが通る場所でおまんじゅうを並べても、そこまで数は出ない。
僕はおまんじゅうが大好きなので買いますけど(笑)、逆に、おばあちゃんしかいないような地域でタピオカ屋さんをやっても需要は限られる。
極端な例に聞こえますが、実際の出店判断では同じことが規模を小さくして起きています。
🎧 Podcast 01:10 〜
商品と場所の「チューニング」という考え方

大事なのは、商品か場所かの二択ではありません。
自分の商品とその場所の特性を、ちゃんと噛み合わせることです。
ここを「チューニング」と呼んでいます。
たとえば、さっきのおまんじゅう。
若い方が多い場所なら、パッケージを可愛くするだけで見え方は大きく変わります。
中身は同じでも、届け方を場所に合わせれば成立するわけです。
逆に、場所に合わない商品を「良いものだから」と押し切っても、なかなか結果には繋がりません。
場所の特性、人通り、時間帯ごとの客層。
こうした要素に対して、商品・価格・見せ方をどう合わせるか。
この調整作業こそが、出店準備の中心にあると個人的には思っています。
この話と地続きの論点として、飲食店の原価率は30%と35%どっちが適正でも同じテーマを扱っています。
🎧 Podcast 03:05 〜
移動販売こそ立地の影響を受ける——仕込み数という現実

ここからは僕自身の実体験で話しやすいように、移動販売のケースに絞ります。
移動販売は言ってしまえば「一時的にその場所に店舗を持つ」こと。
同じ場所に毎週・毎月出店することも多いので、固定店舗の一歩手前くらいの感覚で地理的要因の影響を受けます。
そこで効いてくるのが仕込み数です。
食品には賞味期限・消費期限があるので、作ったものを永遠に売れるわけじゃない。
作りすぎればロスになって利益を圧迫し、フードロスにもなる。
心情的にも寂しい。
かといって作らなすぎれば、せっかく買いに来てくれた人に「買えなかった」という体験を届けてしまう。
この仕込み数を決めるには、その場所に何人来て、そのうち何割が買うのかの見立てが要ります。
イベントの特性、場所の特性で、この数字は簡単に倍半分変わるんですよね。
だから売上予測も訴求方法も、結局は「その場所を知っているかどうか」に帰着します。
🎧 Podcast 05:20 〜
ネットの情報だけでは足りない理由

最近はSNSも検索も発達しているので、ちょっと調べれば情報は出てきます。
イベント系だとインスタグラムが主流で、投稿内容やタグ付けを辿れば、そのイベントの雰囲気や出店者の顔ぶれはかなり掴めます。
ここは素直に便利です。
ただ、投稿から見えないものも多い。
来場者がどういう目的で来ているのか、誰と来ているのか(家族連れなのか、友人同士なのか)、どの時間帯に人が集まるのか。
そして意外と重要なのが、「ずっと来ているリピーターだけが買っているのか、それとも新規客も動いているのか」という点です。
ここを読み違えると、初出店の売上見込みが大きくズレます。
実際に自分で足を運ぶと、得られる情報の解像度が全然違うんですよね。
だからネット上の二次情報だけに頼らず、一次情報を自分の目と足で取りに行く。
手間はかかりますが、仕込み数ひとつを決めるにも、この差はそのまま利益に出てきます。
判断の前提になる部分は、飲食店アンケートが本当に意味を持つ理由で整理しています。
🎧 Podcast 07:40 〜
「自分がお客側だったとき」の選択を思い出す

もうひとつ、自分の街で考えるとイメージしやすい話があります。
あなたの街にある飲食店は、どのお店も「この場所なら売上が立つ、需要がある」と判断して出店しているわけですよね。
では、あなたはその全部のお店に行っていますか。
おそらく行っていないはずです。
その「行かない」という選択が、今度は自分のお店に対して発生するわけです。
店舗を出す側になると、自分が普段どういう基準でお店を選んでいるか、意外と忘れてしまうんですよね。
その選択を、これから地元のお客さんにしてもらわなければいけない。
だからちょっとオーバーに聞こえるかもしれませんが、本気で出店するなら「その前に1ヶ月だけその辺に住んでみる」くらいの姿勢があってもいいと思っています。
生活者としてその街を歩いた記憶は、データでは代替できません。
あわせて読むと輪郭がはっきりするのが、飲食店開業「自分で調べる力」が9割です。
🎧 Podcast 10:15 〜
下見のコストをどこまでかけるかの判断基準

とはいえ、1回のイベントのために毎回下見していたら大変です。
ここはコストとリターンで線を引くのが現実的だと思います。
移動式店舗で出店料も安く、リスクが小さいなら、下見せずに「とりあえず出してみる」こと自体が一番安い調査になります。
実際に1日出れば、下見より濃い情報が手に入りますからね。
失敗しても損失は限定的です。
一方で、固定店舗のように中長期で契約する場合は話が別です。
家賃も内装費も、判断を間違えたときの取り返しがつかない。
この場合は時間をかけてでも下見することを、個人的には強くおすすめしたいなと思っています。
契約年数が長いほど、下見にかけるべき時間も比例して長くなる、と考えるとわかりやすいはずです。
🎧 Podcast 12:30 〜
まとめ
- 飲食店は業態を問わず場所に縛られるため、商品と立地の特性を噛み合わせる「チューニング」が売上を左右します。
- SNSや検索で得られるのは二次情報であり、来場者の目的・時間帯・リピーター比率といった仕込み数の判断材料は現地でしか掴めません。
- 移動販売のようにリスクが小さいなら出店自体が最も安い調査になりますが、中長期契約の固定店舗では下見に時間をかける価値が十分にあります。
よくある質問
Q. 飲食店の立地調査は何をどう見ればいいですか?
A. 時間帯ごとの人通りの量と客層、通行人の目的(通勤・買い物・散歩など)、近隣店舗の混雑状況を最低限チェックします。平日と土日、朝・昼・夜で分けて複数回見るのが理想です。自分の商品を買いそうな人が実際に何人通るかを、数えながら見るとぐっと解像度が上がります。
Q. キッチンカーや移動販売でも立地調査は必要ですか?
A. 必要です。移動販売は一時的にその場所へ店舗を持つのと同じで、同じ場所へ定期出店するなら固定店舗に近い影響を受けます。ただし出店コストが小さいなら、下見よりも一度出店してしまったほうが早く濃い情報が得られる場合もあります。
Q. イベント出店の仕込み数はどう決めればいいですか?
A. 想定来場者数に、自分の商品を買う人の割合(歩留まり)を掛けて概算します。この歩留まりが場所やイベント特性で大きく変わるため、過去の出店実績と現地の下見情報が判断の土台になります。初出店なら少なめに設定し、売り切れを許容して実測データを取るのが安全です。
Q. インスタで下調べするとき、どこを見ればいいですか?
A. イベント名のハッシュタグと会場のロケーションタグを辿り、来場者側の投稿を優先して見ます。出店者の告知投稿より、来場者の投稿のほうが実際の混雑・客層・滞在時間が読み取れます。ただし投稿する層には偏りがあるので、あくまで現地確認の前段として使うのがおすすめです。
Q. 出店前にどれくらい下見に時間をかけるべきですか?
A. 契約期間とリスクの大きさに比例させるのが基本です。単発のイベント出店なら1回の見学、もしくは省略しても構いません。数年単位で契約する固定店舗なら、曜日・時間帯を変えて複数回通い、可能であればその周辺で実際に生活してみるくらいの姿勢が有効です。
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