飲食店のグッズ制作で失敗しない考え方|長期視点で在庫リスクを見極める

「これ可愛いから作ってみよう」と勢いでグッズを発注して、気づけば在庫の山……そんな経験はありませんか。事業でお金を使うときは、普段の買い物とはまったく別の頭の使い方が必要になります。DRIPLOG EP4では、グッズ制作を例に「長期的な視点」と「購入の目的」から支出を判断する方法をお話ししました。

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飲食店のグッズ制作で失敗しない考え方|長期視点で在庫リスクを見極める

🎧 この記事は DRIPLOG Podcast EP4 の音声コンテンツと連動しています。Podcastで聴くとよりリアルな現場感が伝わります。


事業の買い物は「普段の買い物」と何が違うのか

飲食店オーナーが発注書や電卓を前に考え込んでいる現場写真

飲食店を経営していると、食材はもちろん、備品や販促物など何かとモノを買う機会が多いですよね。

ただ、その日の食材を買うような感覚で「その時気になったもの」を衝動的に購入していると、なかなかうまくいかないんです。

事業において何かを購入するときに重要なのは、長期的な視点と、購入の目的の2つです。

この2つを考えずにお金を使うと、支出がそのままコストで終わってしまいます。

逆にこの視点さえ持てれば、同じ金額でも「投資」に変えることができるんですよね。

本記事では、実際にお店でグッズを作るケースを例に、この考え方を具体的に掘り下げていきます。

🎧 Podcast 00:20 〜

グッズ制作の例:ロット数と原価と在庫リスクのトレードオフ

ロット数と1個あたり原価の関係を示すシンプルなグラフ図解

例えば「これは可愛いだろうな」と思って、衝動的にお店のグッズを作ったとします。

業者に発注する場合、少ないロットだと1個あたりの原価がかなり高くなってしまいます。

一方で大量に作れば1個あたりの原価は抑えられますが、その分在庫リスクを丸ごと抱えることになります。

1個あたりの原価が上がるというこの構造は、食材の仕入れでもまったく同じです。原価率の考え方は飲食店の原価率は30%と35%どちらが適正かで整理しています。

可能であればロットを大きくして原価を抑えたい。

でもその前に考えるべきは「そのグッズをどのくらいの期間抱えておけるのか」という問いです。

在庫をたくさん持つということは、発注の初期費用がかかるだけでなく、保管する場所や管理する手間というコストも発生し続けます。

つまりグッズ制作は「原価を取るか、在庫リスクを取るか」の単純な二択ではなく、時間軸を入れて初めて正しい判断ができる問題なんです。

🎧 Podcast 01:10 〜

「どのくらいの期間売れるか」で判断する|商品寿命とシーズン性

クッキー・マフラーなど商品ごとの販売可能期間を比較するタイムライン図解

長期視点で特に重要なのが、商品そのものの寿命です。

例えばオリジナルクッキーのような食品グッズなら、賞味期限の1ヶ月程度で売り切れなければ廃棄になってしまいます。

マフラーのようなシーズン商品なら、売れる期間は1年のうち冬だけ。

その期間で売り切れないと、次に販売できるのは1年後です。

こう考えると、劣化の早いものやシーズン性の強いものを大量ロットで作るのがいかに危険か、お分かりいただけると思います。

「どのくらいの期間で売れるのか」「どのくらいの期間保管できるのか」という2つの時間軸を、発注前に必ず突き合わせることが大切です。

発注ロットを小さく抑えて試すという発想は、開業そのものにも当てはまります。飲食店開業の初手で小さく始めて試行回数を増やす戦略でも同じ考え方を扱っています。

逆に言えば、賞味期限のない定番デザインのグッズであれば、多少ロットを大きくして原価を下げる判断も合理的になります。

同じ「グッズを作る」でも、商品の性質によって正解が変わるんですよね。

🎧 Podcast 02:30 〜

保冷バッグの例:直接的な売上以外の効果まで考える

オリジナル保冷バッグを持ってケーキを買いに来た顧客の店頭シーン

もう一歩踏み込んだ例を考えてみます。

冷蔵のケーキを販売しているお菓子屋さんのケースです。

通常は毎回、紙箱や紙袋に梱包して保冷剤をつけるので、袋代だけで数十円、さらに保冷剤代も毎回発生します。

ここでもし、グッズとしてオリジナルの保冷バッグを作ったらどうでしょうか。

まず保冷バッグ自体の売上が立ちます。

さらにお客様がそのバッグを持ってきてくださる間は、袋代と保冷剤代をずっとカットできます。

自分のバッグがあることで「またあのお店に行こう」という再来店のきっかけにもなりますし、そのバッグを持って街中を歩いてくれれば宣伝効果まで期待できるんです。

つまりグッズを「その場で売って利益を出すもの」ではなく「長期的にどんな効果を生むか」という視点で見ると、包材コストの削減・リピート促進・マーケティング効果という複数のリターンが見えてきます。

1つの支出が何役もこなしてくれるわけです。

🎧 Podcast 04:00 〜

支出を「費用対効果の高い投資」に変えるチェックポイント

発注前チェックリスト3項目をまとめた図解

ここまでの内容を、発注前に確認したいポイントとして整理します。

まず「この商品はどのくらいの期間売れるのか(商品寿命・シーズン性)」。

次に「在庫をどのくらいの期間・コストで抱えられるのか(保管場所・管理の手間・初期費用)」。

そして「直接的な売上以外に、どんな長期的効果があるのか(コスト削減・再来店・宣伝効果)」の3つです。

事業における支出は、普段の買い物とは違います。

時間軸を交えて考え、直接的な利益以外の波及効果まで視野に入れられると、同じ金額でも費用対効果の高い投資にすることができます。

次にグッズや備品の発注を考えるときは、ぜひこの3つの問いを自分に投げかけてみてください。

判断の精度が変わってくると思いますよ。

🎧 Podcast 05:30 〜


まとめ

  • 事業での購入は普段の買い物と違い、「長期的な視点」と「購入の目的」を必ず考える必要があります。
  • グッズ制作ではロット数と原価だけでなく、商品寿命・シーズン性・保管コストという時間軸で在庫リスクを見極めることが重要です。
  • 保冷バッグの例のように、直接の売上以外の効果(コスト削減・再来店・宣伝効果)まで考慮すると、支出を費用対効果の高い投資に変えられます。

よくある質問

Q. 飲食店のオリジナルグッズは小ロットと大ロットどちらで作るべきですか?

A. 商品の性質によって変わります。賞味期限のある食品やシーズン商品は売れる期間が限られるため、原価が高くても小ロットが安全です。一方、劣化しない定番デザインのグッズなら、ロットを大きくして原価を下げる判断も合理的です。「どのくらいの期間で売り切れるか」を先に見積もることが判断の起点になります。

Q. 飲食店の在庫リスクを減らすにはどうすればいいですか?

A. 発注前に「商品寿命(いつまで売れるか)」と「保管可能期間(場所・手間・コスト)」の2つの時間軸を突き合わせることが基本です。この期間内に売り切れる数量だけを発注すれば、廃棄や死蔵在庫のリスクを大きく減らせます。初期費用だけでなく保管・管理コストも含めて総額で考えることが大切です。

Q. 飲食店のグッズ販売は利益になりますか?

A. グッズ単体の利益だけで判断しないほうがよいです。例えば保冷バッグなら、販売利益に加えて袋代・保冷剤代の削減、再来店のきっかけ、街中での宣伝効果といった長期的なリターンが見込めます。直接的な売上以外の効果まで含めて費用対効果を評価するのがおすすめです。

Q. 飲食店の経費と投資の違いは何ですか?

A. 支出した金額が将来のリターン(売上増・コスト削減・集客効果)につながるかどうかが分かれ目です。目的と長期的な効果を考えずに使えばただの経費で終わりますが、時間軸と波及効果まで設計して使えば投資になります。同じ金額でも考え方次第で性質が変わるということです。

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